テーマ: 「戸田建設のフロントローディングにおけるマネジメントの実践とその事例報告」
・・・ 松岡 和樹 (戸田建設株式会社)
フロントローディングとは、「業務の初期工程(フロント)に負荷をかけ(ローディング)、作業を前倒しで進めること」を意味します。
ゼネコンにおけるフロントローディングには、下記のような狙いがあります。
1.課題を早期に洗い出して、解決し、手戻りを防ぐ
2.企業や組織の枠を超え、プロジェクト関係者が協業する
3.業務フローや役割分担の意識改革を行う
4.BIM (Building Information Modeling) を道具として活用する
戸田建設では、フロントローディングを社内で根付かせるため、社内の組織構築とマネジメント教育の実施を行っています。
その概要をご紹介いたします。また、後半には某大型アリーナの BIM 導入事例もご紹介いたします。
2D 図面(既知)から、いきなり BIM モデル(未知)にしようとするとうまくいかないため、
まず、① 2D 図面で整合性がとれていなかったもののマネジメント課題を振り返り、
次に、② BIM の操作を習得し、
最終的に、③ BIM を使ってプロジェクトをマネジメントする、
という段階を経ています。
フロントローディングには、「生産性の向上(マネジメントに集中)」と「効率化(スピードアップ)」の 2 つが求められています。BIM を使うことで効率的に、複雑で全容が見えづらい課題を見える化し、フロントで深く思考し解決を図ることで、生産性の向上につなげます。
課題には鮮度があるという考え方が必要です。そのため設計段階では基本設計に注力し、設計変更が起こる中で、BIM モデルでシミュレーションして合意しておくことが、後の施工性の向上やコスト削減、リスク回避につながるのです。
ぜひ多様な分野の皆さまの知見を持ち寄り、共に考える場となるよう期待してます。
参加される方々との有意義な議論ができれば幸いです。
<事前配布資料>
<講話・議論概要>
<注>
資料は改訂される可能性がありますのでご了承ください。