「第10回夢工学サロン-2023/12/13」

「第10回夢工学サロン-2023/12/13」議論概要

~川勝さんを囲んでのしゃべり場~

 

「夢工学/DEC思考の実践事例」 の紹介

~成功と失敗の5大事業プロジェクト~ <その4>

 

 文責:岩下

 


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<発表資料>:「5.4 <第4部>新日鐡・MCA ユニバーサル・スタジオ・プロジェクト その4 :P1〜P91
夢工学サロン 成功と失敗の5大事業プロジェクト 第4部 川勝良昭 101823.
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「夢工学/DEC思考を具体的にどういう風にやっていくのか?」「実践するには訓練が必要とのことだがどの様なことか?」という意見がありますので、改めて川勝さんに、実践編として「成功と失敗の5大事業プロジェクト」についてお話を伺うことにしました。

 1.新日鐡・MCA ユニバーサル・スタジオ PJT(1878−1879年)

  2.セガ・ジョイポリスの第1号館&全国多館展開 PJT(1992−1995年)

  3.岐阜県世界淡水魚リアル&バーチャル水族館 PJT(1995−1999年)

  4.岐阜県・昭和村 PJT(1999−2003年)

  5.新潟県・大型太陽光発電所 PJT(2005−2011年)

 

今回は<その4>として、「夢工学」から派生した、下記の<各論><補論>について議論いたします。

<各論1> 夢工学式ベンチャー起業論

<各論2> 夢工学式エンタテイメント論

<各論3> 夢工学式テーマパーク論

<各論4> 夢工学式経営論 (デック経営)

<各論5> 夢工学式経営コンサル論 (デック・コンサル)

<補論1> VE (Value Engineering = 価値工学)

<補論2> DX (Digital Transformation)


「1.新日鐡・MCA ユニバーサル・スタジオ PJT」<その4>

 

<川勝さん講話>

今回は下記の項目についてお話いたします。

<各論1> 夢工学式ベンチャー起業論

<各論2> 夢工学式エンタテイメント論

<各論3> 夢工学式テーマパーク論

<各論4> 夢工学式経営論 (デック経営論)

<各論5> 夢工学式経営コンサル論 (デックコンサル論)

<補論1> VE (Value Engineering = 価値工学)

<補論2> DX (Digital Transformation)

 

<各論1> 夢工学式ベンチャー起業論

ベンチャー企業論については沢山の書籍がありますが、多くが設立の法律とか手続きとかのマニュアル的なものであり、ベンチャーをどうやって立ち上げ成功させるかという本質的・実践的なモノがありません。経営学部(MBA)での教育課程を見ると、上流の企画工程では戦略論とか組織論を教え、下流の運営工程では人事論とか生産管理論が出てくるのですが、中流の実現工程のところがありません。ここをカバーするのはPMなんです。しかし日本の大学の学科として、PM論はほとんど存在しません。中間が抜けているということです。これでは実践的な事業企画書を描けないということが分かります。私はユニバーサルスタジオツアーやジョイポリスを手掛けてきました。従ってテーマパークという事業プラットフォームを作るのは当然で、ゼロから全部作ったわけです。企画だけじゃなく、運営だけじゃなく、実現(事業プラットフォーム)そのものをやらなければならないということです。そういうことで、このベンチャー起業論では、抜けている中流の実現工程そのものを教えたいと思っています。

 

<各論2> 夢工学式エンタテイメント論

ユニバーサルスタジオツアーもディズニーランドもエンターテインメントです。それからジャズの演奏とかもエンターテイメントの1つです。このエンターテイメント論では、エンターテイメントのあり方(考え方)とやり方を述べたいと思います。日本の場合は、大学でエンターテイメント学科がありません。オモテナシというホスピタリティ(hospitality)論はあって、何故かエンターテインメント(entertainment)論が無いのか不思議です。

 

ホスピタリティというのは、どちらかというと一方通行です。ホスト役とホステス役がお客さんをモテナスということのために、どうあるべきかを論じているわけです。エンターテインメントとは双方向です。誰かが歌って誰かが聞く、それを両方で楽しむということですから、この両方からの作用がなかったら、エンターテイメントは成り立たないわけです。そういう点では非常に重要な理論なんですが、何故かエンターテインメント論が無いのです。

 

エンターテイメント論を考える中で、一番大きな影響を受けたのは映画制作でした。ユニバーサル映画をやった時に、スターウォーズとかダイ・ハードとかの特撮でアカデミー賞を取ったリチャードエドランドに、「映画を成功させる秘訣は何か?」と訪ねました。彼は「ファンタジー」と「リアリティ」を両方とも同時に実現しなさいと教えてくれました。ファンタジーというのは「空想とか想像とか夢物語」みたいなモノで、リアリティというのは「現実性の問題」です。ファンタジーとリアリティ両方とも同時に実現することが、優れた映画を作るために、最低限必要だということです。

 

もう一人は黒沢明さんです。ユニバーサルスタジオツアーを日本に持ってきたのは黒沢明さんです。その経緯で黒沢さんと非常に親しくなり、映画をどうやって作ればいいのかを色々教わりました。黒沢さんも実はファンタジーとリアリティを追求した方です。椿三十郎という映画では、人を切る音を出すために、豚の肉を本物の刀で切って、それを録音して映画の中で使ったんです。これはリアリティとファンタジー両方とも追求した実例ということです。

 

リアリティとファンタジーというのは相矛盾する概念ですが、リアリティとは1+1=2という理論・理屈で、ファンタジーは1+1≠2という2以上あるいは2以下あるいは無限大、要するに感性ということです。従ってこの両方を生かすことが、事業をやる上でも非常に役に立つということをエドランドは力説していました。これは発想する上でも非常に役に立ちます。そういう意味で理解していただければと思います。

 

<各論3> 夢工学式テーマパーク論

テーマパークは日本でたくさん作られましたが、多くが潰れて、今残ってるテーマパークは3つしかありません。東京ディズニーランド、大阪ユニバーサルスタジオツアー、セガジョイポリス、これ以外のテーマパークは殆ど無くなりました。

 

テーマパークは儲からないと言われますが、そもそもテーマパークとは一体どんなものかという議論が抜けています。私の定義では、テーマパークは「自動創造導入機能」があるか否かが、成功の根源にあるということです。ユニバーサルスタジオツアーは、今ハリーポッターで成功していますが、あと10年は持ちません。どんなものでも飽きられてしまうということです。次々と新しいネタが創られ、テーマパークを更新しないと、すぐに駄目になります。従って、自動的に新しいことが創造され、それが取り入れられるという、自動創造導入機能がテーマパークにあるか否かがポイントになります。

 

ディズニーは自分の会社で映画を作っています。ユニバーサルスタジオもMCAが映画を作っています。テーマパークは、映画という二次元のコンテンツを四次元にして見せるということです。この自動創造導入機能が無いテーマパークは、テーマパークではないということです。テーマ性があっても、それはテーマパークとは言えないというのが私の定義です。このことはもちろんMCAから教わったコトです。いずれにしてもテーマパークというのは地域活性化に大きな役割を果たすと思います。

 

<各論4> 夢工学式経営論 (デック経営論)

執筆途中であり未だ完成していません。どうやれば経営が成功するかということを、別の観点でまとめようとしてます。別の観点というのは、プロジェクトマネジメントの部分についての経営論が無いんです。それを夢工学式経営論としてを作り上げようとしています。出来上がりましたら改めてご報告致します。

 

<各論5> 夢工学式経営コンサル論 (デックコンサル論)

経営論が固まれば、当然それに基づいてコンサルテーションも行うわけです。この夢工学式経営コンサルテーションもまとまり次第ご報告致します。

 

<補論1> VE (Value Engineering = 価値工学)

VEについてもう1度焦点を当てて適用してはどうかと思います。日本にはVE協会がありますが活動はすたれています。VEとはバリューエンジニアリング、価値工学ですが、実際はコストを下げるための方法と理解されています。VEを開発したGE(ゼネラルエレクトリック)の技師L.D. マイルズに確認したのですが、「コストダウンのためのメソドロジーではなく、価値を上げるためのシステムズエンジニアリングだ」ということでした。これが日本では今でも誤解されています。システム工学であるということでVEをもう1度見直していただきたいと思います。

 

<補論2> DX (Digital Transformation)

これも日本では全く誤解されています。DX(ディジタルトランスフォーメーション)というのは、まさに破壊的ビジネスイノベーションそのものです。Xにポイントがあります。Dは手段です。トランスフォーメーションが基本です。

 

 

・MCAユニバーサルツアープロジェクト開発の中止で、私は大変辛い思いをしましたが、そのことで逆に大変得もしております。その経験があったのでセガにスカウトされ、ジョイポリスを作ることができました。更にこの成功で岐阜県にスカウトされ昭和村等を造り、その後新潟県にスカウトされ太陽光発電等のプロジェクトをやりました。その間、民間から官僚になったということで注目され、いろんな大学から特任教授として招聘されました。そして現在はコンサルをやっています。従って私は、<悪夢>を経験しましたけども全部が<善夢>に変わったということで、良かったと思っています。

 

・もう1つ自負していることがあります。それは大阪のユニバーサルスタジオツアーの殆は、新日鉄時代に手掛け計画したものです。当初、千葉県の君津に予定されていた案件を、大阪に変更させたのも私どもです。しかし結果的に途中で潰されてしまいました。それを大阪市の助役さんがMCAに掛け合って、大阪ユニバーサルスタジオツアーとして実現したのです。その過程では、助役さんも孤立無援で大変苦労されていましたので、私が持っている情報・経験を全部与えて支援しました。MCAは新日鉄と組んで計画した情報を全部持っていました。それをベースに、私からの裏情報も加えながら、USJを作ったんです。何を作り何を作るべきでないか等を全部教えました。出来上がったモノを見ましたけども、私の予想通りのものを作り上げてくれました。それで大阪USJは、自分が作ったと勝手に思っています。潰された悔しさを、大阪市で敵を取ってくれたことで、私の悪夢が解消されたということです。いずれにしても私の辛い思いをした夢(悪夢)は全部花と咲き、現在の私にプラスして、全部いい夢(善夢)として実現しているということを皆さんにお伝えさせていただきます。

 

<質疑>

・(質問)エンターテイメントの話が出ましたが、これは日本人には不得意な分野なんでしょうか?日本人の遠慮なのか、余り自分を出さないし、会話とかコミュニケーションが苦手な人が多いですね。そういう影響かなとも思うのですが、、、

 

⇒(回答)エンターテイメントということは、日本の伝統としても存在しているわけです。歌舞伎もそうだし、その他いろんな演劇とかあります。エンターテイメントでは、お客さんとの間でさまざまなやり取りをしますけど、その方法は、日本人、アメリカ人、ヨーロッパ人、中国人とかで微妙な違いはあります。逆に、日本ではオモテナシという言葉があります。日本ではホスピタリティということはすごく評価されます。ホスピタリティというのは「接待する」ということです。ホスピタリティ論は大学で講座にもありまが、何故かエンターテイメント論は無いんです。

 

エンターテインメントは誤解されていると思います。日本人がエンターテイメントという英語を使うのは、日本語に無いから仕方なく使うところに、エンターテインメントに対しての定義がはっきりしていないんです。これを今定義しようと頑張っています。ホスピタリティもそうです。なぜ英語を使うのかです。これはオモテナシという言葉を使えばいいのではないでしょうか。だけどエンターテイメントは、オモテナシでは駄目です。楽しさを与えるということが、エンターテーメントの「送り手も受け手」もいるんです。オモテナシについては受け手の議論は余りありません。これは一方向です。片方向のホスピタリティばかりが学問の対象になって、双方向のエンターテイメント論が議論されないというところが、日本人特有の誤解かもしれません。エンターテイメント論については、PMAJオンラインジャーナルに色々書いておりますのでご一読ください。

 

・エンターテイメント論については、そういった学問が必要だと思いました。ディズニーでは「ゲストとキャスト」という言い方をしています。ディズニー側をキャスト、お客さんをゲストと言って、その間で一緒になって楽しめる空間を作っていくということです。一方的なサービスを提供する従業員といった定義にはしていません。これからますますそういう分野が注目されるべきだと思います。

ゲストとキャストの関係、正にこれがエンターテイメントの定義だと思います。

 

・経営学(MBA)でプロマネについて学ばれていないというのは驚きです。MBAというのは経営者になっていくための学問だから、MBAホルダーは一貫した事業企画書を描けなければ駄目だと思います。プロマネを学ばないとは知りませんでした。

 

⇒MBAの科目を調べたところ、上流(企画)工程と下流(運営)工程のみで、中流(実現)工程のプロジェクトマネジメントに相当する科目が無いです。いわゆる事業プラットフォームという物や場面を作る(実現)ということの学問は、建築学とかの議論になっています。MBAでも事業プラットフォームをどう作るかということが重要なはずです。ここはプロジェクトマネジメントが担う部分ですので、大学の講義でもやるべきだし、MBA資格の要件にも入れるべきだと思います。経営学でこの部分が欠けているから、MBA資格にPMを入るべきだと考えて夢工学を作ったんです。MBAホルダーはもっと頑張る必要があるし、PMAJももっと頑張らなければならないと思います。一方、プロジェクトマネジメントでは、中流(実現)工程の事業プラットフォームをどう作るかのみで終わっています。その後の下流(運営)工程が抜けています。ビフォーアフターのアフター部分ですので、そこに注目して夢工学を拡張しました。無かったから創っただけなんです。

 

「夢成功一貫達成」ということを言っています。夢から立ち上げて、プラットフォームを実現して、運営して、借金も返して、事業が成功するまでを一貫して達成するということです。夢が実現したというのは、事業プラットフォーム(お店など)ができた時です。PMでいうと、プロジェクトが完成してお客さんに引き渡したときです。それでは終わりではありません。そのプラットフォームで運営が行われ、そこで儲けて、借金も返済して、持続可能な事業ができた時に、夢が成功したことになります。従って、「夢が実現」するのと「夢が成功」するのは違うんです。

 

夢からプロジェクトを企画して、作り上げて、オープンして、運営して、成功する、「夢から成功まで一貫して、全部やった経験者」が真のプロフェッショナルです。この「夢成功一貫達成」経験者の割合は、プロのコンサルタントの中でも、10%以下ということです。ということは、日本のプロコンサルは、8割以上がアマチュアだということです。重要なことは、「夢からプロジェクト作り上げて、実現して、しかも成功もした」ということです。皆さんも、仕事であっても、ゼロから何かを作り上げて、やり遂げてください。「夢成功一貫達成」した社長はほとんどいません。全部アマチュア経営者ばかりです。だからこんな日本になっちゃったんです。誰が偉いかというと創業者です。ゼロから立ち上げて、作り上げた人、この人が本当のプロだと思います。

 

P2Mコンピテンシー(能力・行動特性)モデルとして、タクソノミー(taxonomy:分類)という考え方があります。タクソノミーは10項目からなり、思考の部分、行動の部分、それから人間力の部分の3つがあります。思考と行動の部分についてはよく議論されますが、人間力については十分とは言えません。夢工学・悪夢工学のお話は、人間力を使ってどのようにリーダーシップを取っていくかというコトだと思います。倫理観を保って、そこから出てくる品位とか品格とか振る舞いとか言動、こういう人間力の部分が伴わないと、知識だけ技術だけではうまくいかないというふうに理解しました。物事を技術的に考える思考の部分、実行に移していく行動の部分は必要だが、構想から運用まで一貫して、場面場面に応じて人間力がどう追従できるかということだろうと思います。それが10項目に分かれてるわけです。それらをうまく使いこなしていくことによって、この夢工学も悪夢工学もこなせるのではないかと思います。

⇒タクソノミーのお話ありがとうございました。勉強になります。

 

・これまで10回お話を伺ってきて、それなりに吸収した部分と吸収できなかった部分もあるんですが、今後これをどう展開していくかを考えています。夢工学というのは、やはり川勝さんの経験に非常にディペンドしていますから、これを一般化するというのは、ある意味で川勝さんの経験された部分を捨てるようなことになります。それで本質を伝えることができるのかということを悩んでいます。川勝さんと同じ経験は当然できないのですが、非常に貴重なことおっしゃっているので、なんとか継承していくことを考えたいです。しかし、一朝一夕に分かりましたと言える内容じゃないというのも正直なところです。今後夢工学をどうしたらいいかということに関して、アイデアがありましたら頂けないでしょうか。

 

・一般的に工学という時には、工学部の工学と、川勝さんが仰る工学とは差があるのかないのかというところを議論したいと思っています。P2Mでも「P2M学」の議論がほとんどなされていません。P2Mの立ち上げの頃から、小原先生と「P2M学」をどう考えますかということを言ってきました。P2M学という要素が非常に大切だと思うんですが、その部分の議論が足りていません。夢工学というときに、「工学」という部分をどのように考えるかということを議論させて頂きたいと思っています。

 

⇒是非ともお願いします。夢工学、悪夢工学というのは学問とは言っておりません。理論と実践をつなぐエンジニアリングとして工学と言っています。私が言っているのは、トータルプロジェクトエンジニアリングという言い方をしています。夢から発想して最後の成功まで全部のエンジニアリングです。そういう意味でご理解いただきたいんです。しかしその「学問」の部分は誰かにやっていただきたいと思っています。そういう議論をして「夢学」といったモノを誰かに作ってもらいたいです。

 

・夢工学のお話を伺っていると、「経験」という側面が大きいと思います。我々は経験抜きの議論をしがちですが、最終的に語れるのはやはり経験じゃないかなと思います。理論は変わるし細分化され部分知になります。最近の生成AIの進化に注目すると、人間は経験というか実践から獲得した身体知・全体知といった方向にシフトしていかないと、AIに使われるようになるのではないでしょうか。右の脳も左の脳も使えというのは、これは理屈ではなかなか教えられない部分で、経験の中でそういう領域に入っていくんじゃないかなと思うんです。

 

・非常に感動するんですが、これを伝える立場になった場合に、どうやって伝えるかということで悩んでいます。これをブレークスルーするようなアイデアがあればありがたいと思います。P2Mガイドブックにトップダウンで盛り込むというのも1つの方法かもしれませんが、それで真意が伝わるかという心配もあります。

 

・お話の中に色々と大切にしたい軸といったモノがあります。例えばトータルプロジェクトマネジメントとか夢成功一貫達成などです。成功とは最後までやり遂げること。ここで成功じゃなくもっと先なんだ、偽物の成功に騙されないで、それを貫いていく、そういったところもある。だから語っていただいた中にそのヒントがあって、それを紐解いていって、何かアイディアを出せるのではと、そんなことを思っています。。

⇒いい点ついていらっしゃいます。完全に分かっていらっしゃる。

 

・川勝さんのノウハウをきちんと引き継いで更新するという役は絶対必要だと思います。いろんな気づいたことを議事概要として残していますが、その内容を本当に理解してるかというと疑問です。継承していく立場から、何故そうなったのかということを川勝さんに質問しながら確認していくということをしないと多分理解できないと思います。これはどういう意味か、何故そう思ったのか、何故こういう行動をしたのか、そういう疑問を質問していく中で、初めて本質・真髄が見えて、理解できるのではないでしょうか。

 

⇒是非そのように質問していただいた方がありがたいです。もっと気楽に聞いていただければ、内容はご理解頂けると思います。私は夢工学の研修では、「皆さんにジャズピアノの弾き方を教えてるのと、夢工学を教えるのとは同じです」と教えています。頭で理解してもピアノは弾けません。体験が伴わなければ駄目です。やっている内に思考錯誤しながら弾けるようになっていく訳です。私は夢工学を完成させたと思っていません。皆で作り上げたら良いと考えています。私も作り直したり色々やっていますので、どうか質問をしたり、疑って頂いて、どんどん内容を高めていただきたいと思います。

 

是非とも「工学」の議論とか学問の議論もお願いしたいと思っています。私は「夢工学・悪夢工学」ですが、「失敗学」の畑村 洋太郎さんは、ちゃんと失敗学と言っているんです。彼は東大の先生ですから、学者としてのプライドもあるんでしょう。私は学者ではありませんので、工学という名前をつけたのも、別にそんな難しい考え方で言ったんじゃなくて、要するに学問と実践の間のモノはとりあえず工学と言っているだけです。かなりいい加減です。そんな次第ですので気楽に議論してください。

 

・夢工学は経験にディペンドしているので、それぞれの方の夢工学があるのではないかと予想してます。これまでの川勝さんのお話を聞いたことを踏まえて、「私の夢工学」というものを纏めて発表頂いて、それについて川勝さんのご意見を頂いたり、Q&Aを入れて議論する、そういう場を設けたらどうかと思っているのですが如何でしょうか。

 

・正直なところちょっときついですね。先ずは次回、Face to Faceでお会いした時に、例えばこんなことがあったんだと、そういった雑談程度のところからスタートできればなと思っています。

 

⇒私はその雑談に大変期待しています。是非聞かせていただきたいんです。夢工学サロンも私のセッションはあと2-3回で終わりますので、今度は皆さんの番ですので、それを期待しています。

 

・夢工学は是非盛り上げていきたいですね。工学の「工」という文字は、横棒が上に1本、下に1本、縦棒が1本で出来ています。上の横線は理論で、下の横線は実践で、縦棒はそれをつなぐ人である。人だけども、理論と現場を結んで知恵と工夫を出す工夫の工だと、これを考えた上でやるところが工学でありエンジニアリングなんです。

 

英語を日本語にした時にこの字を当てたわけですが、私は日本語として考えた時には誤訳に近いと思っています。エンジニアリングというのは、知識と技術と経験を現場とつないだ理論で、そこで知恵や工夫を出しているのがエンジニアリングです。なのでプラントの人達は工学とは訳せずエンジニアリングと言っているわけです。学問の領域だけ工学になっている。そこで私は理論と現場を結ぶということが工学だと言っています。

 

「学」という字は、教える人と教わる人が交わることが学問です。最初の授業ではいつも「工と学」の話をして、私もあなた方に教えられる部分があるかも知れないけども、あなた方からも教わる部分もある。授業じゃなくて「受授業」です。授けると受ける両方ということを一緒にやりましょうと言っています。川勝さんが一緒にやりましょうと言っているのも受授業だなと思って聞いていました。

⇒面白いですね。それを書いたものを配ってください。雑談しましょう、Face to Faceの時に是非お願いします。

 

以上